平成25年 司法試験 短答式 民法 第8問 解説
問題
物権の帰属に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.未成年者との間で売買契約を締結して同人所有の動産を購入した者は,その後に当該売買契約が行為能力の制限を理由に取り消された場合に,売主が未成年であることについて善意無過失であったとしても,即時取得を理由としてその動産の所有権の取得を主張することはできない。
2.相続人がなく特別縁故者に対する分与もされなかった相続財産のうち,不動産の所有権は,国庫に帰属するが,動産の所有権は,相続開始後に所有の意思をもって占有を始めた者に直ちに帰属する。
3.他人の動産に工作を加えた者があるときの加工物の所有権は,民法の規定に従って帰属する者が定められ,加工前に所有者と加工者との間で民法の加工に関する規定と異なる合意をしても,その合意の効力は生じない。
4.土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは,他の共有者もこれを取得する。
5.所有者を異にし,主従の区別のある2個の動産が付合した場合,従たる動産の所有者は,その付合の時における価額の割合に応じてその合成物の共有持分を取得する。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4正解
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5
- ⑩4と5
解説
要点
即時取得(192条)は「無権利者」からの譲受けを保護する制度であり、行為能力の制限による取消しの場面では真の権利者との間の取引であるため適用されない。また、動産の付合(242〜244条)は主従の区別がある場合は主物の単独所有(243条)、区別がない場合のみ価額割合の共有(244条)となる点を条文ごとに区別して覚える。
結論
正しいのは記述1と4であり,選択肢3が正解である。記述1は即時取得(192条)の適用場面(無権利者からの譲受け)ではないため即時取得を主張できないという結論が妥当であり,記述4は地役権の時効取得の効果が他の共有者にも及ぶことを定めた284条1項の内容に合致する。
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出典:法務省「平成25年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
