平成25年 司法試験 短答式 民法 第2問 解説
問題
意思表示に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.意思能力が欠けた状態で契約を締結した者は,後見開始の審判を受けていなくても,その契約の無効を主張することができる。
イ.被保佐人が,保佐人の同意を得て,自己の不動産につき第三者との間で売買契約を締結したときは,被保佐人がその売買契約の要素について錯誤に陥っており,かつ,そのことにつき重大な過失がない場合でも,その契約の無効を主張することができない。
ウ.第三者の詐欺によって相手方に対する意思表示をした者は,相手方が第三者による詐欺の事実を知らなかった場合にも,その詐欺によって生じた錯誤が錯誤無効の要件を満たすときは,相手方に対し,その意思表示の無効を主張することができる。
エ.被保佐人は,保証契約を締結する前にその行為をすることについて保佐人の同意を得たときは,自己の判断でその保証契約の締結を取りやめることはできない。
オ.被保佐人と契約を締結しようとする者は,家庭裁判所に対し,利害関係人として,被保佐人に十分な判断能力があることを理由に保佐開始の審判の取消しを請求することができる。
- ①ア ウ正解
- ②ア エ
- ③イ エ
- ④イ オ
- ⑤ウ オ
解説
要点
行為能力制限(同意・審判)と、意思能力の欠如・錯誤・詐欺といった意思表示の瑕疵は別の制度であり、一方の要件を満たしても他方の主張が排除されるわけではない。誰がどの制度の取消し・無効・審判取消しを請求できるかは、それぞれの条文の要件を個別に確認する必要がある。
結論
正しいのはアとウであり,選択肢1が正解である。アは意思無能力による無効の主張は後見開始の審判の有無と無関係に認められること,ウは第三者詐欺の制限(96条2項)と錯誤による無効(現行では取消し)の制度は別個であり,詐欺の事実についての相手方の善意悪意は錯誤の主張の可否に影響しないことから,いずれも正しい。
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出典:法務省「平成25年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
