平成25年 司法試験 短答式 刑事訴訟法 第28問 解説
問題
次のⅠないしⅢの【見解】は,公訴時効の根拠に関してのものである。【見解】に関する後記アからオまでの【記述】のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。【見 解】Ⅰ.時間の経過により犯罪行為の可罰性が消滅するので,訴追の対象としない。Ⅱ.時間の経過により証拠が散逸し,公正な審理を行うことができなくなるので,訴追の対象としない。Ⅲ.時間の経過により長期間訴追されなかったという被告人の法的地位の安定を図る必要があるので,訴追の対象としない。【記 述】
ア.Ⅰの見解に対しては,刑の軽重により,公訴時効が異なることを説明できないとの批判がある。
イ.Ⅰの見解に対しては,公訴時効完成後に公訴が提起された場合の判決が免訴という形式裁判であることを説明できないとの批判がある。
ウ.Ⅱの見解に対しては,犯人が国外にいる場合に公訴時効がその進行を停止することを説明できないとの批判がある。
エ.Ⅱの見解に対しては,法改正により,公訴時効の期間が延長された場合,特別の定めを置かない限り,既に行われた犯罪行為に対し,新法を適用することができないとの批判がある。
オ.Ⅲの見解に対しては,被告人の法的地位の安定は,正当な利益ないし権利といえるものではなく,公訴時効制度があることによる反射的利益にすぎないとの批判がある。
- ①ア ウ
- ②ア エ正解
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
公訴時効の根拠論(Ⅰ実体法説=可罰性消滅説、Ⅱ訴訟法説=証拠散逸説、Ⅲ新訴訟法説=法的地位安定説)は、各説が「何を説明でき、何を説明できないか」の対応関係で押さえる。刑の軽重による時効期間の差異と新法(時効期間延長)の遡及適用の可否はⅠに結びつく問題、国外逃亡中の時効停止はⅡが説明しにくい点として整理するのが基本形。
結論
誤っている記述はアとエであり、選択肢2が正しい。アは実体法説(Ⅰ)がむしろ刑の軽重による時効期間の差を説明できるため批判として成立せず、エは本来Ⅰの見解に向けられる問題をⅡに誤って当てはめている。
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出典:法務省「平成25年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
