SaySayLaw無料で演習する

平成24年 司法試験 短答式 民法 第8問 解説

問題

法律上の要件としての善意又は悪意に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
  1. ①相続開始の1年前の日より前にされた贈与は,それがされた当時に当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知っていたとき,その価額が遺留分算定の基礎となる財産の価額に算入される。
  2. ②Aが所有する不動産をBが占有する場合において,Bが,10年間の占有を継続したことを理由として,この不動産の所有権を時効により取得するためには,Bは,占有を開始した時に善意無過失であればよく,その後にBが悪意になっても,Bの時効取得の成否に影響しない。
  3. ③善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは,その訴え提起の時から悪意の占有者とみなされる。
  4. ④判例によれば,Aが所有する不動産を7年間継続して占有したBから,この不動産を買い受けて引渡しを受けたCが更に4年間継続して占有する場合において,Cが,10年間の占有を継続したことを理由として,この不動産の所有権を時効により取得するためには,Bが占有を開始した時に善意であれば,Cの占有開始時にCが善意である必要はない。
  5. ⑤Aに対する債権者Bが,AからCへの不動産の贈与を詐害行為を理由に転得者Dを被告として取り消す場合,その請求が認められるためには,その贈与がBを害することを,AC間の贈与の当時,Dが知っていたことが必要である。正解

解説

要点
転得者に対する詐害行為取消請求では、受益者に対する請求が可能であること(受益者の行為時の悪意)を前提に、転得者自身が『転得の当時』に債務者の行為が債権者を害することを知っていたことが必要である(424条の5第1号)。悪意の判断時点が『債務者の行為の当時』ではない点を押さえる。

結論

選択肢5が誤り。詐害行為取消権を転得者Dに対して行使する場合に必要なDの悪意は、AC間の贈与の当時に判断されるのではなく、DがCから目的物を取得した『転得の当時』に、Aの行為が債権者を害することを知っていたかで判断される。選択肢5は悪意の判断時点をAC間の贈与時に固定している点で誤っている。

この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
無料で始める

出典:法務省「平成24年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。