平成24年 司法試験 短答式 民法 第5問 解説
問題
無権代理に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
- ①Aは,見知らぬ他人であるB宅に侵入し,Bの印章と登記関係の書類を盗み出し,それを用いて,BがAにB所有の甲不動産を売却する代理権を与えた旨の委任状を偽造し,Bの代理人として,Cに対して甲不動産を売却する契約を締結した。この場合において,CがAに代理権がないことについて善意無過失であっても,表見代理は成立しない。
- ②判例によれば,Aの親権者Bは,Cから金銭を借り入れるに当たり,Aを代理してA所有の不動産にCのBに対する債権を担保するために抵当権を設定することはできないし,その設定行為を追認することもできない。
- ③代理権を有しない者が代理行為として契約をした場合,その契約の時に代理権のないことを知っていた相手方は,本人が追認をする以前でもこれを取り消すことができない。
- ④無権代理人が本人の追認を得ることができなかったときは,代理権の不存在につき善意無過失の相手方は,無権代理人に損害賠償を請求することができる。
- ⑤判例によれば,AがBに代理権を与えないまま「A」という名称の使用を許し,BがAの取引であるように見える外形を作り出して取引をした場合,この取引の効果がAに帰属することはない。正解
解説
要点
本人が代理権授与に関与せず名称使用を許諾しただけの場合でも、判例は109条(代理権授与表示による表見代理)の類推適用等により本人への効果帰属を認めうる。「一切帰属しない」と断定する記述は誤りになりやすい。
結論
選択肢5が誤り。判例は、本人が自己の名称の使用を許した場合について、民法109条の代理権授与表示による表見代理の法理を類推適用するなどして、一定の要件のもとで取引の効果が本人に帰属することを認めており、「効果がAに帰属することはない」と断定する選択肢5は誤りである。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「平成24年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
