平成24年 司法試験 短答式 民法 第1問 解説
問題
行為能力に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者は,自ら補助開始の審判を請求することができない。
イ.成年被後見人が認知をする場合,成年後見人の同意は不要である。
ウ.保佐人の同意を得なければならない行為について,被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず保佐人が同意をしないとき,被保佐人は,家庭裁判所に対し,保佐人の同意に代わる許可を請求することができる。
エ.被補助人について後見開始の審判をする場合,家庭裁判所は,その者に係る補助開始の審判を取り消さずに後見開始の審判をすることができる。
オ.精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者について,家庭裁判所は,同意権も代理権も付与されない補助人を選任することができる。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ正解
- ④イ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
補助・保佐・後見の各制度は要件と手続が条文ごとに定められており、①本人も審判請求できるか(15条1項)、②補助開始には同意権付与(17条1項)又は代理権付与(876条の9第1項)の審判が必須で単独では成立しないこと(15条3項)、③補助・保佐から後見への移行時は前の審判を必ず取り消すこと(19条1項)、④認知は身分行為として行為能力の制限に服さないこと(780条)、⑤同意に代わる許可は保佐なら13条3項・補助なら17条3項と条文が別であること、を条文の文言で押さえておくことが重要。
結論
正しい組み合わせは選択肢3(イとウ)である。イは認知が行為能力の制限を受けない身分行為であることから成年後見人の同意が不要である点(民法780条)、ウは保佐人の同意に代わる家庭裁判所の許可制度(民法13条3項)が明文で認められている点で、いずれも条文どおりの正しい記述である。
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出典:法務省「平成24年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
