平成23年 司法試験 短答式 民法 第3問 解説
問題
無権代理に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.本人が無権代理人に対して無権代理行為を追認した場合でも,相手方は,その事実を知らなければ取消権を行使することができる。
イ.無権代理行為の相手方は,本人に対して相当の期間を定めて,その期間内に追認するか否かを催告することができ,本人がその期間内に確答をしないときは,追認したものとみなされる。
ウ.無権代理行為の相手方は,表見代理の主張をしないで,無権代理人に対し履行又は損害賠償の請求をすることができるが,これに対し無権代理人は,表見代理の成立を主張してその責任を免れることができる。
エ.無権代理人が本人を代理して第三者の貸金債務につき本人名義で連帯保証契約を締結した後,本人が追認も追認拒絶もしないまま死亡し,無権代理人が他の者と共に本人を相続した場合,他の共同相続人全員の追認がなくても,無権代理人が本人から相続により承継した部分について,無権代理行為は有効となる。
オ.無権代理人が本人所有の土地に抵当権を設定したため,本人が抵当権設定登記の抹消登記請求訴訟を提起した後死亡し,無権代理人が本人を相続したとしても,無権代理行為は,有効とならない。
- ①ア エ
- ②ア オ正解
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤ウ エ
解説
要点
114条の催告の効果は追認拒絶擬制であること、無権代理人は自ら表見代理の成立を主張して責任を免れられないこと、無権代理人による本人相続の場面は単独相続・共同相続・本人の生前の追認拒絶の有無で結論が異なることを整理して覚える。
結論
正しいのはアとオであり、選択肢2が正解である。アは民法113条2項本文により、本人による追認は相手方に対してしなければ相手方に対抗できず、相手方はなお取消権(115条)を行使できる。オは、本人が抵当権設定登記の抹消登記請求訴訟を提起したことにより追認が拒絶され無権代理行為の無効が確定した以上、その後無権代理人が本人を相続しても無権代理行為は有効化しないとするのが判例である。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
