平成23年 司法試験 短答式 民法 第1問 解説
問題
詐欺又は強迫による意思表示に関する次の1から5までの各記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1.強迫が認められるためには,表意者が,畏怖を感じ,完全に意思の自由を失ったといえなければならない。
2.第三者によって強迫がされた場合において,意思表示の相手方がその事実を知らないときは,表意者は,その意思表示を取り消すことができない。
3.表意者が相手方による虚偽の説明を信じて意思表示をした場合において,相手方に詐欺の故意がないときは,表意者は,民事上の救済を受けることはない。
4.表意者が相手方の詐欺により意思表示をして契約が成立した場合,その契約によって生ずる相手方の債務が未履行であっても,表意者は,その意思表示を取り消さない限り,詐欺を理由として自らの債務の履行を拒絶することができない。
5.買主が売主を欺罔して土地の所有権を譲り受けた場合,売主が詐欺による意思表示の取消しをする前に,詐欺の事実を知らないでその土地について抵当権の設定を受けた者がいるときであっても,売主は,その意思表示を取り消すことができる。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5
- ⑩4と5正解
解説
要点
強迫による意思表示は相手方の善意悪意を問わず常に取消し可能(96条2項は詐欺のみに適用)であり、詐欺取消しは取消しの意思表示があって初めて遡及的に無効となる点、さらに96条3項は『取消しの可否』ではなく『取消しの第三者への対抗力』の問題であることを区別して押さえる。
結論
正しいのは選択肢4と5であり、組合せとしては選択肢10が正解である。選択肢4は取消しの意思表示をするまで契約は有効であり、「詐欺を理由として」履行を拒絶することはできないことから導かれ、選択肢5は96条3項が定めるのは取消しの可否ではなく取消しの第三者に対する対抗力の問題であることから導かれる。
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出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
