平成23年 司法試験 短答式 行政法 第34問 解説
問題
Aは,自宅の建築を計画し,Y市の建築主事から建築確認(以下「本件建築確認」という。)を受けた。この建築計画地の隣地に自宅を所有して居住しているXは,本件建築確認に係る取消訴訟の出訴期間経過後に,本件建築確認に係る建築計画は,建築基準関係規定に適合しておらず同計画に係る建築物は倒壊の危険がある旨主張して,本件建築確認につき無効確認訴訟(以下「本件無効確認訴訟」という。)を提起した。次のアからウまでの各記述について,法令又は最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.無効確認訴訟と国家賠償請求訴訟とは同種の訴訟手続ではないものの,Xは,本件無効確認訴訟の提起後に,本件建築確認が違法であることを理由として,それにより生じた損害について,Y市に対する国家賠償法第1条第1項に基づく損害賠償請求に係る訴えを本件無効確認訴訟に併合して適法に提起することができる。
イ.取消判決の第三者効を定めた行政事件訴訟法第32条第1項は,無効確認訴訟にも準用されるから,本件無効確認訴訟につき認容判決がされた場合,Xは,Aに対して,本件建築確認の効力が無効である旨の主張をすることができる。
ウ.無効な処分の効力につき執行停止を観念することはできないから,Xは,本件無効確認訴訟を提起した上で,本件建築確認の処分の効力の停止を申し立てることはできない。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○
- ④ア○ イ× ウ×正解
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
行政事件訴訟法38条による準用関係は、取消訴訟の規定が無効等確認訴訟にそのまま及ぶわけではなく、条文ごとに準用の有無・準用先(1項・2項・3項)を正確に区別する必要がある。特に32条1項(取消判決の第三者効)は無効等確認訴訟に準用されない(準用されるのは32条2項=執行停止決定の効力のみ)点、19条(関連請求の追加的併合)は38条1項、25条以下(執行停止)は38条3項により準用される点を押さえる。
結論
正解は選択肢4(ア○イ×ウ×)である。国家賠償請求の併合提起は関連請求として認められる(ア○)が、取消判決の第三者効を定める32条1項は無効等確認訴訟に準用されない(イ×)、そして無効等確認訴訟にも執行停止の規定は準用されているため執行停止の申立ては可能である(ウ×)。
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出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
