平成23年 司法試験 短答式 刑法 第13問 解説
問題
親族間の犯罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,誤っているものを2個選びなさい。
1.甲は,同居している甥の乙が盗んできた宝石を,その事情を知りながら,乙から無償で譲り受けた。この場合,甲には盗品等無償譲受け罪が成立するが,その刑は免除される。
2.甲は,別居している祖父乙から現金を脅し取った。この場合,甲には恐喝罪が成立するが,その刑は免除される。
3.甲は,別居している乙(5歳)の祖母であり,家庭裁判所によって乙の未成年後見人に選任され,後見人の事務として乙の預金口座を管理していたが,その口座から現金を引き出して自らのために費消した。この場合,甲には業務上横領罪が成立するが,その刑は免除される。
4.甲は,A株式会社の代表取締役である実父乙が管理するA社所有の絵画を窃取した。この場合,甲には窃盗罪が成立し,その刑は免除されない。
5.甲は,同居している実父乙を被告人とする窃盗事件の公判期日に,証人として出廷し,宣誓の上,乙の利益のために偽証をした。この場合,甲には偽証罪が成立するが,その刑を免除することができる。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5正解
- ⑩4と5
解説
要点
親族相盗例(244条)は窃盗のほか251条(詐欺・恐喝)・255条(横領)に準用されるが、①家庭裁判所から選任された後見人が職務上占有する被後見人財産を横領した場合や②財物の所有者が法人である場合には適用されない。一方、105条(親族による犯人蔵匿・証拠隠滅の特例)は偽証罪には準用されない。
結論
誤っている記述は3と5であり、選択肢9(3と5)が正しい。3は後見人が職務上占有する被後見人財産を横領した事案であり判例上親族相盗例の適用が否定される場合、5は偽証罪には親族による刑の任意的免除規定(105条)が準用されない場合であるため、いずれも本文の「刑が免除される(免除することができる)」という結論部分が誤りとなる。
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出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
