平成22年 司法試験 短答式 民法 第17問 解説
問題
損害賠償に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
- ①弁済期の定めのない金銭消費貸借契約から発生した貸金債権は,貸主が相当の期間を定めずに催告をしても,相当の期間を経過した時から遅滞に陥る。
- ②善意の不当利得者の返還債務は,債務者が履行の請求を受けた日が経過した時から遅滞に陥る。
- ③不法行為と相当因果関係に立つ損害である弁護士費用の損害賠償請求権は,弁護士費用を支出した日が経過した時から遅滞に陥る。正解
- ④受任者は,委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは,委任者に対し,その賠償を請求することができる。
- ⑤不動産の売買契約において,その財産権移転義務が売主の責めに帰すべき事由により履行不能となった場合には,買主は,契約を解除することなく填補賠償を請求することができる。
解説
要点
不法行為に基づく損害賠償債務(弁護士費用も含む)は、損害の発生と同時に不法行為の時から遅滞に陥る。期限の定めのない債務は原則として請求を受けた時から遅滞に陥るという民法412条3項の一般原則とは別扱いになる点を押さえる。
結論
選択肢3が誤り。不法行為に基づく損害賠償請求権は、弁護士費用相当額も含めて不法行為の時から遅滞に陥るのであって、弁護士費用を実際に支出した日から遅滞に陥るのではない。したがって「弁護士費用を支出した日が経過した時から遅滞に陥る」とする選択肢3は判例の趣旨に反し誤りである。
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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
