平成22年 司法試験 短答式 行政法 第23問ウ 解説
問題
A社は,B県において,産業廃棄物処理施設の設置を計画し,B県知事に対して設置許可の申請をして同許可を得た。しかし,周辺住民は,同施設が許可基準を満たしていないにもかかわらず,虚偽の内容の申請書を提出して同許可を受けたと主張し,B県に同許可を取り消すように求めた結果,B県知事は,同許可を取り消した。次のアからエまでの各記述について,行政手続法に照らし,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(参照条文)廃棄物の処理及び清掃に関する法律第15条 産業廃棄物処理施設(中略)を設置しようとする者は,当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。2~6 (略)第15条の3 都道府県知事は,次の各号のいずれかに該当するときは,当該産業廃棄物処理施設に係る第15条第1項の許可を取り消さなければならない。一,二 (略)三 不正の手段により第15条第1項の許可又は第15条の2の5第1項の変更の許可を受けたとき。2 都道府県知事は,前条第1号(注:施設の構造等が技術上の基準等に適合していないと認めるとき),第2号(注:設置者の能力が基準に適合していないと認めるとき)又は第4号(注:設置者が当該許可に付した条件に違反したとき)のいずれかに該当するときは,当該産業廃棄物処理施設に係る第15条第1項の許可を取り消すことができる。
ウ.B県知事は,A社について,聴聞の手続を執らなければならず,聴聞を行うに当たっては,聴聞を行うべき期日までに相当な期間を置いて,A社に対し,予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項,不利益処分の原因となる事実,聴聞の期日及び場所,聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地を書面により通知しなければならないが,周辺住民の意見を聴く公聴会を開催する義務はない。
- ①正しい正解
- ②誤っている
解説
要点
許可の取消しのような『許認可等を取り消す不利益処分』は行政手続法13条1項1号イにより必ず聴聞を要し、その通知事項は15条1項各号(不利益処分の内容・根拠法令、原因事実、期日場所、事務所掌組織)である。公聴会については同法10条があるが、これは『申請に対する処分』についての努力義務であり、不利益処分の聴聞手続において周辺住民の意見を聴く公聴会の開催義務はない。
結論
選択肢1(正しい)が妥当である。産業廃棄物処理施設の設置許可の取消しは行政手続法上の不利益処分であり、かつ許認可等を取り消す処分に当たるため聴聞が必要となる。聴聞の通知事項は行政手続法15条1項が定める4項目であり、周辺住民の意見を聴く公聴会の開催は本件で義務付けられていない。
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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
