平成22年 司法試験 短答式 刑法 第20問エ 解説
問題
次の【事例】における甲の罪責を判例の立場に従って検討し,後記アからエまでの【罪名】のうち,その罪名に係る犯罪が成立する場合には1を,成立しない場合には2を選びなさい。【事 例】甲は,乙及びその妻子全員が1週間の旅行に出ていて留守であると聞いていた乙宅に,窃盗の目的で侵入し,金庫を開けたところ,乙の妻子は旅行中だったものの,一人で在宅していた乙に発見され,「泥棒」と叫ばれた。甲は,捕まっては大変だと思い,乙にナイフを突き付け,「静かにしろ。」と言ったところ,乙は,慌てて逃げ出そうとして転倒し,暖炉の角に頭部をぶつけた結果,脳内出血を起こして死亡した。甲は,乙の死亡を確認した上,金庫の中にあった多量の宝石と多額の現金を奪った後,犯行の痕跡を消し去ろうと考えて乙宅に火を放ち,乙宅は全焼した。その後,甲は,上記宝石を丙に売却することとしたが,その際,上記事情を知る丁に依頼して,丁が運転する自動車に乗り,丁と一緒に同宝石を丙宅まで運搬した。【罪 名】
エ.盗品等運搬罪
- ①その罪名に係る犯罪が成立する
- ②成立しない正解
解説
要点
盗品等に関する罪(刑法256条)の主体は本犯者以外の者に限られ、本犯者自身が盗品を運搬・処分しても盗品等関与罪は別途成立しない。
結論
甲は、乙宅に侵入して窃盗に着手し、逮捕を免れる目的で乙に脅迫を加えて死亡させ(事後強盗致死)、宝石等を取得した本犯者自身であるから、その盗品(宝石)を自ら運搬する行為について盗品等運搬罪(刑法256条2項)は成立しない。盗品等に関する罪の主体は本犯者以外の者に限られるからである。
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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
