平成22年 司法試験 短答式 刑法 第20問イ 解説
問題
次の【事例】における甲の罪責を判例の立場に従って検討し,後記アからエまでの【罪名】のうち,その罪名に係る犯罪が成立する場合には1を,成立しない場合には2を選びなさい。【事 例】甲は,乙及びその妻子全員が1週間の旅行に出ていて留守であると聞いていた乙宅に,窃盗の目的で侵入し,金庫を開けたところ,乙の妻子は旅行中だったものの,一人で在宅していた乙に発見され,「泥棒」と叫ばれた。甲は,捕まっては大変だと思い,乙にナイフを突き付け,「静かにしろ。」と言ったところ,乙は,慌てて逃げ出そうとして転倒し,暖炉の角に頭部をぶつけた結果,脳内出血を起こして死亡した。甲は,乙の死亡を確認した上,金庫の中にあった多量の宝石と多額の現金を奪った後,犯行の痕跡を消し去ろうと考えて乙宅に火を放ち,乙宅は全焼した。その後,甲は,上記宝石を丙に売却することとしたが,その際,上記事情を知る丁に依頼して,丁が運転する自動車に乗り,丁と一緒に同宝石を丙宅まで運搬した。【罪 名】
イ.証拠隠滅罪
- ①その罪名に係る犯罪が成立する
- ②成立しない正解
解説
要点
証拠隠滅罪(刑法104条)の客体は『他人の刑事事件に関する証拠』に限られ、自己の犯罪に関する証拠を自ら隠滅しても同罪は成立しない。
結論
甲が乙宅に放火した行為は、自己が犯した強盗致死罪等の証拠を隠滅する目的で行われたものであり、証拠隠滅罪(刑法104条)の客体である『他人の刑事事件に関する証拠』を隠滅したとはいえないため、同罪は成立しない。正解は選択肢2である。
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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
