平成22年 司法試験 短答式 刑法 第11問オ 解説
問題
次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し,甲に( )内の犯罪が成立する場合には1を,成立しない場合には2を選びなさい。
オ.甲は,乙社の出張所に一人で勤務し,所長として同出張所の電気機器の使用・管理や光熱費の支払事務などを任されていた。甲は,毎夜,趣味の夜釣りをするため,乙社の承諾を得ずに,同出張所のコンセントに自己の集魚灯の電源コードを差し込んで電気を使用した。(業務上横領罪)
- ①犯罪が成立する
- ②成立しない正解
解説
要点
電気を財物とみなす刑法245条は第36章(窃盗及び強盗の罪)の規定であり、横領の罪の章では準用されていない(255条が準用するのは244条のみ)。したがって電気は横領罪・業務上横領罪の客体たる「物」にあたらず、会社の電気の無断使用は電気窃盗(窃盗罪)の問題として処理される。
結論
甲には業務上横領罪は成立しない。電気を財物とみなす刑法245条は窃盗及び強盗の罪の章(第36章)に置かれた規定であり、横領の罪の章ではこれが準用されていないため、電気は業務上横領罪の客体たる「物」にあたらないからである。甲の行為は電気窃盗(窃盗罪)の成否の問題となる。
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出典:法務省「平成22年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
