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令和8年 予備試験 短答式 刑法 第12問 解説

問題

アからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものの個数を後記1から5までの中から選びなさい。 ア.甲は、電話線を盗もうと考え、A社が管理する電柱に架設されたA社所有の電話線1本を切断していたところ、警察官に発見されたため、完全に切断することはできなかった。この場合、甲には窃盗未遂罪が成立する。 イ.甲は、Aから金を脅し取ろうと考え、「殺されたくなければ1000万円を払え。」などとAを恐喝する内容の手紙を郵便ポストに投かんして同手紙をA方に配達させたところ、同手紙を読んだAの妻は冗談であると思い、同手紙の存在をAに伝えることなく同手紙を捨てたため、Aは同手紙の内容を知ることはなかった。この場合、甲には恐喝未遂罪が成立する。 ウ.甲は、知人Aから金を奪おうと考え、A方を訪ねてAと二人きりになった際にAを縛り上げ、持参したボストンバッグにA方設置の金庫内の現金を詰め込み、A方玄関に向かおうとしたところ、駆けつけた警察官にA方内で逮捕されたため、A方の外に出ることはできなかった。この場合、甲には強盗既遂罪が成立する。 エ.甲は、自己が居住する建物に付された火災保険の保険金をA保険会社からだまし取ろうと考え、同建物に放火して全焼させたが、同放火の被疑事実で逮捕されたため、保険金を請求するに至らなかった。この場合、甲には詐欺未遂罪が成立する。 オ.甲は、Aが居住している木造平屋を焼損しようと考え、同平屋に隣接するA所有の無人の木造倉庫に火を放ち、その燃焼作用により同平屋の延焼を惹起すべき状態を作出したが、火災に気付いたAが消火したため、同倉庫の天井等が一部焼損したにとどまり、同平屋は全く燃えなかった。この場合、甲には現住建造物等放火未遂罪が成立する。
  1. ①0個
  2. ②1個正解
  3. ③2個
  4. ④3個
  5. ⑤4個

解説

要点
詐欺罪の実行の着手は欺罔行為(保険金請求)の開始時点であり、放火のような準備行為だけでは未遂罪すら成立しない。放火罪の実行の着手・既遂時期、恐喝罪における文書の到達と畏怖・交付結果の区別、強盗罪の既遂時期(占有取得)も併せて整理しておく。

結論

誤っているのはエのみで1個であり、選択肢2が正しい。詐欺罪は欺罔行為(保険金請求)が行われて初めて実行の着手が認められるところ、エの事案では放火のみで請求行為に至っていないため、詐欺未遂罪すら成立しない。

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出典:法務省「令和8年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。