令和7年 予備試験 短答式 民事訴訟法 第35問 解説
問題
訴えの利益に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.Xは、Yを被告として、売買契約に基づき売買代金1000万円の支払を請求する訴えを提起し、Yに同額の支払を命じる判決が確定した。その後、無資力のYが売買代金を支払わない状態が続き、裁判上の請求以外に消滅時効の完成猶予の方法がなかった。Xが、Yを被告として、消滅時効が完成する前に、再度、同売買代金の支払を請求する訴えを提起した場合において、当該訴えには、訴えの利益が認められる。
イ.被相続人Aが死亡し、その相続人は妻X、子Y1及び子Y2のみであった。X、Y1及びY2の間において、A名義の複数の不動産のうち甲土地がAの遺産に属するか否かの争いがあった。Xが、Y1及びY2を被告として、甲土地がAの遺産に属することの確認を求める訴えを提起した場合において、当該訴えには、確認の利益が認められない。
ウ.被相続人Aが死亡し、その相続人は子X及び子Yのみであった。X及びYの間において、相続人の範囲や遺産の範囲については争いがなかったものの、Yは、成人してからも全く収入がなく、Aが死亡するまでの約30年間にわたって、毎月、Aから高額の生活費の支払を受けており、これが特別受益財産に当たるか否かの争いがあった。Xが、Yを被告として、AからYに支払われた上記生活費が特別受益財産であることの確認を求める訴えを提起した場合において、当該訴えには、確認の利益が認められない。
エ.甲建物について、XからYに所有権移転登記がされ、更にYからZに所有権移転登記がされた。Xは、XからYへの所有権移転登記はXに無断でされたものであり、Xが甲建物を所有していると主張して、Zを被告とし、YからZへの所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを提起したものの、Xの請求を棄却する判決が確定した。さらに、Xが、Yを被告として、XからYへの所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを提起した場合において、当該訴えには訴えの利益が認められる。
オ.甲土地上にはYが所有する乙建物があるが、X及びYの間においては甲土地の所有権をいずれが有しているのかにつき争いがある。Xが、Yを被告として、甲土地の所有権に基づき、乙建物を収去し甲土地を明け渡すことを求める訴えを提起することができる場合には、XがYを被告として甲土地についてXの所有権の確認を求める訴えには、確認の利益が認められない。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ エ
- ④イ オ正解
- ⑤ウ オ
解説
要点
確認の利益は、給付訴訟が可能かどうかだけで機械的に判断するのではなく、その確認判決が当事者間の紛争を既判力によって抜本的に解決できるかという観点から個別に判断する必要がある。
結論
誤っているのはイとオであり、選択肢4が正解である。イは遺産確認の訴えの確認の利益を否定した点が誤りであり、オは所有権に基づく明渡請求ができる場合でも所有権確認の訴えの利益が否定されるとした点が誤りである。
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出典:法務省「令和7年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
