令和6年 予備試験 短答式 民法 第4問 解説
問題
即時取得に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.AがBから預かっているB所有の種子甲を自らの所有物であると偽って、Cに対し、消費貸借の目的として貸し、現実の引渡しをした場合には、Aが甲の所有者であるとCが過失なく信じたときであっても、Cは、甲の所有権を即時取得しない。
イ.Aは、代理権を有していないにもかかわらず、Bの代理人と称して、B所有のパソコン甲を、Bが甲の所有者であることを知るとともに、AがBの代理人であると過失なく信じたCに売り、甲を現実に引き渡した。この場合は、Cは、甲の所有権を即時取得しない。
ウ.Aは、A所有のパソコン甲をBに売り、現実の引渡しをした後、錯誤を理由にAB間の売買契約を取り消した。Bが甲の現実の引渡しを受けた時に、Aの意思表示に錯誤がないと過失なく信じていたときであっても、Bは、甲の所有権を即時取得しない。
エ.Aは、Bから預かっているB所有のパソコン甲を自らの所有物であると偽ってCに売り、Cとの間で、以後AがCのために甲を占有する旨の合意をした。この合意の時に、Aが甲の所有者であるとCが過失なく信じていたときは、Cは、甲の所有権を即時取得する。
オ.Aは、BからB所有のパソコン甲を預かっていた。Aが死亡し、Aの唯一の相続人Cが甲の占有を始めた場合には、Aが甲の所有者であるとCが過失なく信じていたときであっても、Cは、甲の所有権を即時取得しない。
- ①ア ウ
- ②ア エ正解
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
即時取得は取引行為による占有取得を保護する制度であり、①消費貸借のような所有権移転型の取引も対象となる一方、②占有改定では外観に変化がないため成立せず、③相続は包括承継であって「取引行為」に当たらないため成立しない。
結論
誤っているのはアとエであり、選択肢2が正しい。アは消費貸借も即時取得の対象となる取引行為に当たるため即時取得が成立し得るのに「成立しない」としている点で誤り、エは占有改定では即時取得の要件である占有の取得を満たさないのに「成立する」としている点で誤りである。
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出典:法務省「令和6年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
