令和6年 予備試験 短答式 刑事訴訟法 第20問エ 解説
問題
次の【見解】は、刑事訴訟法第328条の趣旨及び同条によって許容される証拠の範囲に関するものである。後記アからオまでの【証拠】のうち、【見解】に照らし、同条によって許容される証拠に当たるものには1を、当たらないものには2を選びなさい。なお、被告人AがⅤを包丁で刺して殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、いずれの証拠との関係でも、同法第326条の同意はなされていないものとする。【見解】「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことにより、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のものであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明を要する趣旨であると解するのが相当である。そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」【証拠】
エ.Wが本件の捜査段階において司法警察員の取調べを受けてした「私はBがⅤを包丁で刺すのを見た。」という供述を録取した書面で、Wの署名及び押印があるもの
- ①同条によって許容される証拠に当たる正解
- ②当たらない
解説
要点
328条の限定説(最判平18.11.7)では、①公判供述と矛盾する供述をしたのが供述者本人か(自己矛盾供述か)、②その矛盾供述が本人の供述書・署名押印のある供述録取書・当該供述を聞いた者の公判供述のいずれかに現れているかを確認する。供述録取書について要求されるのは供述者の署名押印であり、321条1項各号の実質的要件まで満たす必要はない。
結論
選択肢1が正しい。エの証拠は、公判で証言しているW自身が捜査段階でした供述(「BがVを刺すのを見た」)を録取した書面であり、公判証言(「AがVを刺した」)と矛盾する内容がW本人の署名押印のある供述録取書に現れているため、【見解】の示す限定的な許容範囲に該当する。
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出典:法務省「令和6年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
