令和6年 予備試験 短答式 刑事訴訟法 第14問 解説
問題
犯罪の証明に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。ただし、判例がある場合には、それに照らして考えるものとする。
ア.刑事裁判における有罪認定に必要とされる「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証」とは、反対事実が存在する疑いを全く残さない場合をいうものではなく、反対事実が存在するとの疑いをいれる余地があっても、健全な社会常識に照らして、その疑いに合理性がないと一般的に判断される場合には、有罪認定を可能とする趣旨である。
イ.情況証拠は、一般的に、目撃供述や被告人の自白といった直接証拠に比べて証明力が低いから、情況証拠によって事実を認定すべき場合には、直接証拠によって事実を認定すべき場合よりも証明の程度が高度である必要がある。
ウ.証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねられるが、裁判官の恣意的な判断を許すものではないから、その判断は、論理則や経験則に照らし合理的なものでなければならない。
エ.略式手続は、公判を開くことなく書面審理によって行われる簡易な手続であるから、犯罪の証明の程度は、証拠の優越で足りる。
オ.共謀共同正犯における共謀の事実は、共謀共同正犯における「罪となるべき事実」に含まれるから、刑事訴訟法の規定により証拠能力が認められ、かつ、公判廷における適式な証拠調べを経た証拠による証明を要する。
- ①ア ウ
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④イ エ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
情況証拠による認定でも直接証拠による場合と同じ「合理的疑いを超える証明」で足り、より高度な証明は不要。また略式手続でも有罪認定である以上、刑事訴訟における厳格な証明の程度(合理的疑いを超える証明)が要求され、民事の証拠の優越では足りない。
結論
誤っているのはイとエであり、選択肢4が正解である。イは情況証拠による認定に直接証拠より高度な証明を要するとした点が判例に反し、エは略式手続でも通常の刑事裁判と同じ「合理的な疑いを超える証明」が必要であるのに証拠の優越で足りるとした点が誤りである。
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出典:法務省「令和6年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
