令和4年 予備試験 短答式 民法 第8問 解説
問題
特定物の売買の売主が目的物の引渡債務について履行の提供をした場合に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.買主が目的物の受領を拒み、その後に売主が買主に対して売買代金の支払を請求した場合、買主は、売主が履行の提供を継続し、又は改めて履行の提供をしなければ、同時履行の抗弁権を主張して売買代金の支払を拒むことができる。
イ.買主が目的物を受領することができない場合、売主は、履行の提供をした時から引渡しが完了するまで、契約及び取引上の社会通念に照らして定まる善良な管理者の注意をもって、目的物を保存しなければならない。
ウ.買主が目的物を受領することができない場合、売主が目的物の保管を続けるために必要となる費用は、買主が負担しなければならない。
エ.買主が目的物を受領することができない場合、売主は、履行の提供をした時から、目的物の引渡債務につき遅滞の責任を免れる。
オ.買主が目的物の受領を拒み、その後に、売主及び買主の双方の責めに帰することができない事由により目的物が滅失した場合、買主は契約を解除することができる。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
受領遅滞中の保存義務は「自己の財産に対するのと同一の注意」に軽減され(413条1項)、売主が履行の提供をした後に受領拒絶中の目的物が双方無責事由で滅失した場合は危険が買主に移転し、買主は解除できない(413条の2第2項・543条、567条2項)。この2点を正確に覚えることが決め手。
結論
誤っているのはイとオであり、選択肢4が正しい。イは保存義務の程度を「善管注意義務」としている点が誤りで、正しくは「自己の財産に対するのと同一の注意」(民法413条1項)に軽減される。オは受領拒絶後の双方無責事由による滅失について、買主に解除権を認めている点が誤りで、民法567条2項により買主は解除できない。
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出典:法務省「令和4年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
