令和4年 予備試験 短答式 民法 第3問 解説
問題
動産の引渡しに関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.Aがその所有する絵画甲をBに預けたままCに売却した場合において、AがBに対して以後Cのために甲を占有すべきことを命じ、Bがこれを承諾したときは、Cは、甲の所有権の取得を第三者に対抗することができる。
イ.Aはその所有する登録済みの自動車甲をBに売却して現実に引き渡したが、登録名義はAのままであった。その後、Aが甲をCに売却し、登録名義をCに移転した場合、Bは、甲の所有権の取得をCに対抗することができる。
ウ.Aは、その所有する絵画甲をBに売却したが、甲の占有を継続し、以後Bのために占有する意思を表示した。その後、AはBへの売却の事実を知っているCに甲を売却し、現実に引き渡した。この場合、Cは、甲の所有権の取得をBに対抗することができる。
エ.Aはその所有する絵画甲をBに預けていたが、Bは、Aに無断で、Bが甲の所有者であると過失なく信じているCに甲を売却した。Bは甲の占有を継続し、以後Cのために占有する意思を表示した。その後AがBから甲の返還を受けた場合、CはAに対し、所有権に基づいて甲の引渡しを請求することができない。
オ.Aからその所有する絵画甲を預かり占有していたBが、Aから甲を購入した場合において、占有をBに移転する旨の意思表示がAB間でされたときは、Bは、甲の所有権の取得を第三者に対抗することができる。
- ①ア ウ
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④イ エ
- ⑤エ オ正解
解説
要点
動産物権変動の対抗要件(178条)の「引渡し」には現実の引渡しのほか簡易の引渡し(182条2項)・占有改定(183条)・指図による占有移転(184条)が含まれる一方、即時取得(192条)の「占有を始めた」は占有改定では足りない。登録済み自動車は登録が対抗要件となる点も押さえる。
結論
正しいのはエとオであり、選択肢5が正解である。エは占有改定による即時取得は認められないとする判例法理から、オは占有代理人として既に目的物を所持する者が買い受けた場合に簡易の引渡し(民法182条2項)で対抗要件を具備できることから導かれる。
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出典:法務省「令和4年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
