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令和4年 予備試験 短答式 刑法 第7問 解説

令4予備 第7問刑法共同正犯の過去問

問題

学生A、B及びCは、次の【事例】における甲の罪責について、後記【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑦までの( )内から適切な語句を選んだ場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。【事 例】甲は、先輩乙からの依頼を断り切れず、乙がV方に侵入して強盗を行うに当たり、乙をV方まで自動車で送り届けるとともに、乙がV方に侵入してVから100万円を強取するまでの間、V方付近の路上で周囲を見張り、強盗を終えた乙を自動車に乗せて逃走した。乙は、甲の支援があったことから安心して強盗を完遂し、甲に対し、上記100万円のうち10万円を報酬として支払った。【会 話】学生A.私は、共同正犯と幇助犯の区別の基準として、①(a.行為者の主観的事情・b.行為の客観面)が重視されるべきだと考える。そうすると、【事例】では、そもそも、甲が侵入強盗の送迎や見張りをしたのは、先輩である乙からの依頼を断り切れなかったためであるから、甲は、②(c.共同正犯・d.幇助犯)ということになるね。学生B.そうは簡単に言えないと思う。自己の犯罪を遂行する意思かどうかについて、私は、③(e.故意の同一性・f.行為者が果たした役割の重要性)も踏まえて判断すべきだと考える。そうであれば、犯行の実現に送迎や見張りが必要とされた事情によっては、Aさんとは違って、甲を、④(g.共同正犯・h.幇助犯)と解することもあるのではないかな。学生C.私は、共犯の処罰根拠から考えるべきだと思う。つまり、共犯の処罰根拠は、⑤(i.正犯者を誘惑し、犯意を抱かせたこと・j.法益侵害やその危険を間接的に惹起したこと)にあることからすれば、共犯においては、結果への因果的寄与が要求される。だから、共同正犯か幇助犯かは、自己の犯罪を遂行する意思かどうかではなくて、この因果的寄与の存在を前提として、関与内容が客観的に重要なものといえるかで区別されるべきだよ。学生A.しかし、因果的寄与といっても、共同正犯といえるためには、⑥(k.意思連絡・l.実行行為の分担)が要求されるべきであるから、Cさんの立場からも、⑦(m.物理的因果性・n.心理的因果性)が不可欠の要件になり、また、その程度が正犯性の判断に影響を及ぼすはずだよ。学生C.そうすると、【事例】では、Bさんの挙げた事情だけではなく、甲と乙との関係性や乙が甲に支援を依頼した理由も重視することになるね。
  1. ①①a ②d ⑤j ⑥l
  2. ②①b ③e ④g ⑦n
  3. ③①a ④h ⑥l ⑦m
  4. ④②c ③f ⑤i ⑥k
  5. ⑤②d ③f ⑤j ⑦n正解

解説

要点
共同正犯と幇助犯の区別は、主観説(自己の犯罪遂行意思の有無)と客観説(因果的寄与・関与の重要性)で説明の仕方が異なるが、いずれの立場でも意思連絡に基づく心理的因果性が正犯性判断の重要な要素になる、という論理の流れを押さえること。

結論

選択肢5(②d ③f ⑤j ⑦n)が正しい。学生Aは主観的事情(自己の犯罪遂行意思の有無)を基準に据えつつ、乙からの依頼を断り切れなかったという事情から甲を幇助犯(②d)と評価し、学生Bはその意思の有無を判断する際に果たした役割の重要性(③f)を考慮すべきとし、学生Cは共犯の処罰根拠を法益侵害・危険の間接的惹起(⑤j)に求め、学生Aが最後にその立場でも意思連絡に基づく心理的因果性(⑦n)が不可欠と応じている。

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出典:法務省「令和4年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。