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令和4年 予備試験 短答式 刑法 第6問 解説

問題

次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものはどれか。
  1. ①甲は、乙が熟睡していることに乗じてわいせつな行為をしたが、これに気付いて覚醒した乙から抵抗され、わいせつな行為を行う意思を喪失した後、逃走するため、乙に暴行を加えて負傷させた。この場合、甲に準強制わいせつ致傷罪は成立せず、準強制わいせつ罪と傷害罪が成立するにとどまる。
  2. ②甲は、自己の性欲を刺激興奮させ又は満足させるという性的意図を有さず、専ら乙を侮辱して報復するため、乙を脅迫して裸にして写真撮影した。この場合、甲に強制わいせつ罪が成立することはない。
  3. ③甲は、自らが管理する動画配信サイトにわいせつな動画のデータファイルをアップロードし、同サイトを利用した不特定の顧客によるダウンロード操作に応じて、同ファイルを当該顧客のパーソナルコンピュータに自動的に送信させ、同コンピュータに記録、保存させた。この場合、甲にわいせつ電磁的記録等送信頒布罪が成立する。正解
  4. ④甲は、わいせつな内容を含む書籍を販売したが、その目的は作品の文芸的・思想的価値を社会に主張することであった。この場合、甲にわいせつ文書頒布罪が成立することはない。
  5. ⑤甲は、日本国外で販売する目的で、日本国内において、わいせつな内容を含む書籍を所持した。この場合、甲にわいせつ文書有償頒布目的所持罪が成立する。

解説

要点
175条のわいせつ電磁的記録等送信頒布罪は、サーバーへのアップロードと顧客のダウンロード操作による自動送信・記録によって成立する(最決平成26年11月25日)。あわせて、性的意図不要説(最大判平成29年11月29日)、意思喪失後の暴行も含めた一連の暴行による致傷(最決平成20年1月22日)、芸術的価値の抗弁不成立、国外頒布目的所持の不処罰(最判昭和52年12月22日)という周辺論点を横断的に押さえておく。

結論

正しいのは選択肢3である。わいせつな動画データをサーバーにアップロードし、不特定多数の顧客のダウンロード操作に応じて自動的に送信・記録させる行為は、判例上わいせつ電磁的記録等送信頒布罪(刑法175条1項後段)の「頒布」に当たり、既遂が認められる。

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出典:法務省「令和4年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。