令和3年 予備試験 短答式 民法 第6問 解説
問題
抵当権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.土地に抵当権が設定された後にその土地上に建物が築造された場合,抵当権者は,抵当権が設定されていない当該建物をその土地とともに一括して競売することができる。
イ.甲土地の所有権が自己にあると過失なく信じて10年間その占有を継続した者は,甲土地上の抵当権の存在につき悪意であったときは,甲土地の所有権を時効取得することができない。
ウ.Aが甲土地を賃借したが,その対抗要件を具備しない間に,甲土地にBのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aは,この登記がされた後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,甲土地を継続的に用益したとしても,競売により甲土地を買い受けたCに対し,賃借権を時効により取得したと主張して,これを対抗することができない。
エ.AがB所有の甲土地を占有して取得時効が完成した後,所有権移転登記がされることのないまま,甲土地にCのための抵当権が設定されてその登記がされた。Aがその後引き続き時効取得に必要とされる期間,甲土地の占有を継続し,その期間の経過後に取得時効を援用した場合は,AがCの抵当権の存在を容認していたときであっても,Cの抵当権は消滅する。
オ.債務の弁済と,当該債務の担保として設定された抵当権の設定登記の抹消登記手続とは,同時履行の関係に立つ。
- ①ア ウ正解
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤エ オ
解説
要点
一括競売(389条)の可否,賃借権・所有権の時効取得と抵当権の対抗関係,取得時効完成後の再度の時効取得による抵当権消滅と占有者の「容認」,弁済と抵当権抹消登記手続の先後関係は,いずれも判例の規範を正確に覚えておくべき頻出論点である。
結論
正しいのはアとウであり,選択肢1が正解である。アは民法389条1項の一括競売の規定どおりであり,ウは抵当権設定登記後に時効取得の要件を満たした賃借権は買受人に対抗できないとする判例の趣旨に合致する。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「令和3年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
