令和3年 予備試験 短答式 民法 第4問 解説
問題
Aは,自己の所有する甲土地を利用するため,B所有の乙土地の一部に通路を開設し,その通路を通行していた。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aは,Bから通行地役権の設定を受けていたが,未登記であった。Aによる通路の利用を認識していたものの通行地役権の存在は知らなかったCがBから乙土地を譲り受けた場合,Aは,Cに通行地役権を対抗することができる。
イ.AがBから通行地役権の設定を受けていた場合において,その後,Aがこの通路を全く通行しなくなったときは,Aの地役権は,Aが通路を通行した最後の時を起算点として消滅時効にかかる。
ウ.Aは,Bから通行地役権の設定を受けずに通路を開設して通行していたが,Bはそのことを知りつつ黙認していた。この場合,Aは,Bに対して通行の対価を支払っていなければ,通行地役権を時効取得することができない。
エ.AがBから通行地役権の設定を受けていた場合,Aは,乙土地の通行を必要とするCに対し,甲土地の所有権を譲渡することなく,その通行地役権のみを譲渡することができる。
オ.Aが甲土地の2分の1の持分をCに譲渡して,A及びCが甲土地を共有するに至った場合において,Aが通行地役権を時効により取得したときは,Cも通行地役権を取得する。
- ①ア イ
- ②ア オ正解
- ③イ ウ
- ④ウ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
通行地役権は継続的地役権として行使を妨げる事実が生じた時から消滅時効が進行し(291条)、要役地から分離した譲渡は不可(281条2項)、時効取得に対価支払いは不要(283条)、共有者の一人の時効取得は他の共有者にも及ぶ(284条1項)。承役地譲渡の対抗関係では、通路の開設・継続的使用という客観的状況から譲受人が認識し又は認識し得たときは、特段の事情がない限り登記なくして対抗できる(最判平10.2.13)。
結論
正しいのはアとオであり、選択肢2が正解である。アは通行地役権の対抗力に関する判例の趣旨に合致し、オは共有者の一人が時効取得した地役権は他の共有者にも及ぶという民法284条1項の明文に合致する。
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出典:法務省「令和3年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
