令和3年 予備試験 短答式 民法 第1問 解説
問題
失踪宣告に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.不在者の推定相続人は,家庭裁判所に失踪宣告の請求をすることができる。
イ.死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が,その危難が去った後1年間明らかでないことを理由として失踪宣告がされた場合には,失踪宣告を受けた者は,その危難が去った時に死亡したものとみなされる。
ウ.失踪宣告を受けて死亡したものとみなされたAから甲土地を相続したBが,Cに甲土地を売却した後に,Aの失踪宣告が取り消された。この場合において,CがAの生存につき善意であったときは,Bがこれにつき悪意であったとしても,その取消しは,BC間の売買契約による甲土地の所有権の移転に影響を及ぼさない。
エ.失踪宣告が取り消された場合,失踪宣告によって財産を得た者は,失踪者の生存につき善意であっても,財産を得ることによって受けた利益の全額を失踪者に返還しなければならない。
オ.失踪宣告を受けて死亡したものとみなされたAが,失踪宣告が取り消される前に,Bから甲土地を買い受けた場合,この売買契約は,失踪宣告がされたことにつきBが善意であるときに限り効力を有する。
- ①ア イ正解
- ②ア エ
- ③イ オ
- ④ウ エ
- ⑤ウ オ
解説
要点
失踪宣告取消しの効力(民法32条1項後段)は、取消し前の行為の当事者双方が善意であって初めて及ばないとするのが判例(双方善意説)。また同条2項ただし書は「現に利益を受けている限度」での返還を定め、善意者は現存利益の返還で足りる(悪意者は704条類推で全額+利息とするのが通説)点も要チェック。
結論
正しいのはアとイであり、選択肢1が正解である。ウは判例が採る双方善意説に反し、エは返還範囲を誤り、オは本人が生存中にした行為の効力を誤って理解している。
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出典:法務省「令和3年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
