令和3年 予備試験 短答式 商法 第25問 解説
問題
吸収合併に関する次の1から5までの各記述のうち,誤っているものはどれか。
- ①吸収合併に反対する消滅会社の株主であって,当該吸収合併をするための決議をする株主総会において議決権を行使することができる者が,株式買取請求権を行使するには,当該株主総会に先立って当該吸収合併に反対する旨を当該消滅会社に対し通知するとともに,当該株主総会において当該吸収合併に反対しなければならない。
- ②その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けた存続会社は,吸収合併に際して消滅会社の株主に対して当該存続会社の株式を交付する場合には,当該株式の数に一株当たり純資産額を乗じて得た額が当該存続会社の純資産額の5分の1を超えないときであっても,株主総会の決議によって,吸収合併契約の承認を受けなければならない。
- ③吸収合併が法令又は定款に違反する場合であって,消滅会社の株主が不利益を受けるおそれがあるときは,当該消滅会社の株主は,当該消滅会社に対し,当該吸収合併をやめることを請求することができる。
- ④吸収合併無効の訴えは,吸収合併の効力が生じた日から6か月以内に提起しなければならない。
- ⑤存続会社は,吸収合併契約締結日から吸収合併の効力発生日までの間,吸収合併契約の内容を記載した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならないが,吸収合併の効力発生後はこれらを備え置く必要はない。正解
解説
要点
吸収合併の情報開示は事前開示と事後開示の二段階。存続会社の事前備置書面は「備置開始日から効力発生日後6か月を経過する日まで」(794条1項)であり、効力発生日で終わるのは消滅会社(782条1項)だけ。さらに存続会社は事後開示書面を効力発生日から6か月間備え置く義務も負う(801条1項・3項)。「効力発生後は不要」は典型的な誤り。
結論
誤っているのは選択肢5である。存続会社は、吸収合併契約の内容等を記載した書面・電磁的記録を「吸収合併契約等備置開始日から効力発生日後6か月を経過する日まで」本店に備え置かなければならず(会社法794条1項)、効力発生後も備置義務が続く。加えて、効力発生日後遅滞なく事後開示書面を作成し、効力発生日から6か月間これを備え置く義務もある(801条1項・3項)。
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出典:法務省「令和3年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
