令和3年 予備試験 短答式 刑法 第3問 解説
問題
過失犯に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
- ①共同正犯に関する刑法第60条は,意思の連絡を要件としているので,過失犯には適用されない。
- ②重過失とは,重大な結果を惹起する危険のある不注意な行為をすることをいう。
- ③過失犯の成立に必要となる結果発生の予見可能性は,内容の特定しない一般的・抽象的な危惧感ないし不安感を抱く程度の予見の可能性で足りる。
- ④行為者が法令に違反する行動をした事案においても信頼の原則が適用される場合がある。正解
- ⑤ホテルの火災により死傷者が出た場合,火災発生時に現場にいなかったホテル経営者には業務上過失致死傷罪が成立することはない。
解説
要点
信頼の原則は行為者自身に法令違反があっても、当該違反と結果との関係次第では適用され得る(最判昭41・12・20)。過失犯の共同正犯・重過失の定義・予見可能性の程度・管理監督過失の各論点とセットで判例の立場を正確に押さえること。
結論
選択肢4が正しい。判例は、行為者自身が法令に違反する行動をとっていた事案であっても、事故の発生に直接関係しない部分について相手方が適切な行動をとることを信頼してよい場合には、信頼の原則の適用を認めている。
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出典:法務省「令和3年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
