令和3年 予備試験 短答式 刑法 第12問 解説
問題
汚職の罪に関する次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。
ア.公務員になろうとする者が,その担当すべき職務に関し,請託を受けて,賄賂の収受を約束した後に公務員となったが,結局,賄賂を収受しなかった場合,事前収賄罪(刑法第197条第2項)が成立する。
イ.公務員が,その職務に関し,請託を受けて,第三者に賄賂を供与させた場合,職務上不正な行為をし,又は相当の行為をしなかったときに限り,第三者供賄罪(刑法第197条の2)が成立する。
ウ.公務員が,その職務に関し,賄賂を収受したとき,当該職務が適切なものであっても単純収賄罪(刑法第197条第1項前段)が成立する。
エ.公務員であった者が,その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたことに関し,退職後に賄賂を収受した場合,事後収賄罪(刑法第197条の3第3項)は成立しない。
オ.犯人が収受した賄賂は,任意的没収の対象となる。
- ①ア ウ正解
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④イ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
収賄罪各類型は要件が微妙に異なる。単純収賄・受託収賄・第三者供賄は職務の適法性(不正行為の有無)を問わず、受託収賄は「請託」のみが加重要件である。これに対し加重収賄(197条の3第1項・2項)と事後収賄(同条3項)は「職務上不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったこと」を要件とする。条文ごとに「請託の要否」「不正行為の要否」「主体」を区別して覚える。
結論
正しいのはアとウであり、選択肢1が正解である。事前収賄罪は賄賂の約束のみで成立し得るし、単純収賄罪は職務の適法性を問わず職務関連性があれば成立するためである。
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出典:法務省「令和3年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
