SaySayLaw無料で演習する

平成30年 予備試験 短答式 刑法 第6問 解説

問題

共犯の従属性に関する次の【見解】に従って後記1から5までの各【記述】を検討した場合,正しいものを2個選びなさい。【見 解】共犯が成立するためには,正犯の行為が構成要件に該当し,違法性を具備することを要する。【記 述】 1.甲が強盗犯人Aの妻乙を唆してAを蔵匿させた場合,甲には犯人蔵匿罪の教唆犯は成立し得ない。 2.甲が刑法第41条の刑事未成年者に当たる乙を唆して窃盗を行わせた場合,甲には窃盗罪の教唆犯は成立し得ない。 3.甲が乙にAが一人で居住する家屋に侵入するよう唆したところ,乙がAの承諾を得て平穏にその家屋に立ち入った場合,甲には住居侵入罪の教唆犯は成立し得ない。 4.甲が乙を唆して私文書を偽造させたが,乙に行使の目的がなかった場合,甲には私文書偽造罪の教唆犯は成立し得ない。 5.甲が乙に偽証するよう唆したところ,乙が証人として法律により宣誓した上,虚偽の陳述をしたが,証人尋問手続が終了した後,判決言渡し前に自白した場合,甲には偽証罪の教唆犯は成立し得ない。 ※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
  1. ①1と2
  2. ②1と3
  3. ③1と4
  4. ④1と5
  5. ⑤2と3
  6. ⑥2と4
  7. ⑦2と5
  8. ⑧3と4正解
  9. ⑨3と5
  10. ⑩4と5

解説

要点
制限従属性説(共犯成立に正犯の構成要件該当性+違法性のみを要求し、責任は不要とする説)の下では、正犯に責任阻却事由や一身的処罰阻却事由・刑の減免事由(親族による刑の免除、偽証の自白)があっても共犯は成立し得るが、正犯の行為に構成要件要素(目的犯の目的)が欠ける場合や、被害者の承諾により構成要件該当性・違法性が欠ける場合には共犯は成立し得ない、という区別を押さえる。

結論

正しいのは記述3と記述4であり、選択肢8が正解である。両記述はいずれも正犯(乙)の行為が構成要件に該当しない(記述3は見解によれば違法性も欠ける)ケースであり、制限従属性説(構成要件該当性+違法性を要求する説)の下でも共犯は成立し得ないからである。他方、記述1・2・5は、正犯行為が構成要件該当性・違法性を備えており、欠けているのは責任、あるいは犯罪成立後の処罰阻却・刑の減免の問題にすぎないため、制限従属性説の下では共犯が成立し得る。

この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
無料で始める

出典:法務省「平成30年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。