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平成30年 予備試験 短答式 刑法 第4問 解説

平30予備 第4問刑法故意・錯誤の過去問

問題

故意に関する次の各【見解】に従って後記1から5までの各【事例】における甲の罪責を検討した場合,いずれの【見解】に従うかによって,結論が異なるものはどれか。【見 解】A説:行為者が認識していた事実と発生した事実とが,構成要件的評価として一致する限り,発生した事実についての故意が認められ,殺人罪においては,客体が「およそ人」という点で一致していれば故意が認められる。B説:行為者が認識していた事実と発生した事実とが,具体的に一致しない限り,発生した事実についての故意は否定され,殺人罪においては,客体が「その人」という点で一致していなければ故意は認められない。【事 例】
  1. ①甲は,Vを殺そうと考えてVの首を絞め,Vが動かなくなったので死亡したものと思い,Vを海岸の砂上まで運び放置したところ,Vが砂を吸引したことにより死亡した。
  2. ②甲は,Vが連れている犬を殺そうと考え,その犬を狙って猟銃を発射したが,犬をかばおうとしたVに弾丸が当たり,Vを死亡させた。
  3. ③甲は,前方を歩いていた人をV1と思い,V1を殺そうと考え,その人を狙って拳銃を発射し弾丸を命中させて死亡させたが,その人はV1ではなく,V2であった。
  4. ④甲は,Vから殺してほしいと頼まれたので,Vを殺そうと考え,Vの首を絞めてVを死亡させたが,嘱託殺人が犯罪にならないと考えていた。
  5. ⑤甲は,V1を殺そうと考え,V1を狙って拳銃を発射したが,弾丸がそれて,V1ではなく,そのそばにいたV2に当たり,V2を死亡させた。正解

解説

要点
A説(法定的符合説)とB説(具体的符合説)の対立が結論の違いを生むのは『方法の錯誤』の場合のみであり、客体の錯誤・因果関係の錯誤(ヴェーバーの概括的故意)・構成要件を異にする錯誤・違法性の錯誤の場合は両説とも結論が同じになる。

結論

選択肢5のみが,A説とB説とで甲の罪責の結論が異なる。狙った相手(V1)ではなく別人(V2)に弾が当たって死亡したという典型的な方法の錯誤(打撃の錯誤)の事案であり,法定的符合説(A説)は既遂の故意犯,具体的符合説(B説)は未遂+過失犯という異なる結論を導くからである。

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出典:法務省「平成30年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。