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平成29年 予備試験 短答式 行政法 第23問 解説

平29予備 第23問行政法損失補償の過去問

問題

国家賠償と損失補償に関する教員と学生の対話中の次のアからウまでの【 】内の各記述について,法令又は最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。教員:今日は損失補償と国家賠償の違いについて考えてみましょう。国家賠償と比べた損失補償の特徴は何でしょうか。学生:一つ目の特徴としては,損失補償について定めた一般法は存在しないということです。(ア)【個別法に損失補償を認める規定が存在しない場合には,裁判を提起して損失補償を求めることはできないと解されています。】教員:なるほど。では,その他の特徴は何でしょうか。学生:損失補償は,適法な公権力の行使により特別の犠牲が生じた場合に,公平負担の見地から認められるものですので,公権力の行使が適法であることが前提とされています。教員:そこでいう特別の犠牲とは,財産上の損害に限られるのでしょうか。学生:難しい問題ですが,(イ)【予防接種による副作用被害が問題となった事案では,生命や身体に対する損害であっても損失補償の対象になり得ると主張されました。しかし,このような損失補償による救済を明示的に認めた最高裁判所の判例はありません。】教員:それでは,最後の質問ですが,損失補償が認められる場合に,その補償はどの程度の額でなければならないのでしょうか。学生:はい,損失補償に際しては「正当な補償」が必要であると解されています。ただ,(ウ)【第二次世界大戦後の農地改革をめぐる最高裁判所の判例では,この「正当な補償」の額は,その当時の経済状態において成立すると考えられる価格と完全に一致することを要しないとされました。】
  1. ①ア〇 イ〇 ウ○
  2. ②ア〇 イ〇 ウ×
  3. ③ア〇 イ× ウ○
  4. ④ア〇 イ× ウ×
  5. ⑤ア× イ〇 ウ○正解
  6. ⑥ア× イ〇 ウ×
  7. ⑦ア× イ× ウ○
  8. ⑧ア× イ× ウ×

解説

要点
個別法に補償規定がなくても憲法29条3項を直接根拠に損失補償を請求する余地がある(河川附近地制限令事件)。農地改革事件の「正当な補償」は当時の経済状態で成立すると考えられる価格に基づき合理的に算出された相当な額で足り、その価格との完全一致は不要。

結論

正しい組合せはア×イ○ウ○であり,選択肢5が正解である。個別法に補償規定がなくても憲法29条3項を直接根拠として損失補償を請求する余地を認めた最高裁判例が存在するため,アの記述は誤りである。

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出典:法務省「平成29年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。