平成28年 予備試験 短答式 刑事訴訟法 第21問 解説
問題
次の【記述】は,訴因変更の要否に関する最高裁判所の決定からの引用である。【記述】中の①から④までの( )内から適切な語句を選んだ場合,その組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。【記 述】殺人罪の共同正犯の訴因としては,その実行行為者がだれであるかが明示されていないからといって,それだけで直ちに訴因の記載として罪となるべき事実の特定に欠けるものとはいえないと考えられるから,訴因において実行行為者が明示された場合にそれと異なる認定をするとしても,①(a.審判対象の画定 b.被告人の防御)という見地からは,訴因変更が必要となるとはいえないものと解される。とはいえ,実行行為者がだれであるかは,一般的に,②(a.審判対象の画定 b.被告人の防御)にとって重要な事項であるから,当該訴因の成否について争いがある場合等においては,③(a.他の犯罪事実との識別 b.争点の明確化)などのため,検察官において実行行為者を明示するのが望ましいということができ,検察官が訴因においてその実行行為者の明示をした以上,判決においてそれと実質的に異なる認定をするには,原則として,訴因変更手続を要するものと解するのが相当である。しかしながら,実行行為者の明示は,前記のとおり訴因の記載として不可欠な事項ではないから,少なくとも,被告人の防御の具体的な状況等の審理の経過に照らし,④(a.被告人に不意打ちを与えるものではない b.他の犯罪事実との識別を損なうものではない)と認められ,かつ,判決で認定される事実が訴因に記載された事実と比べて被告人にとってより不利益であるとはいえない場合には,例外的に,訴因変更手続を経ることなく訴因と異なる実行行為者を認定することも違法ではないものと解すべきである。
- ①①a ②b ③a ④a
- ②①a ②b ③b ④a正解
- ③①a ②b ③b ④b
- ④①b ②a ③a ④a
- ⑤①b ②a ③a ④b
解説
要点
実行行為者の明示は訴因の審判対象画定に不可欠な事項ではないが、被告人の防御にとって重要であり、実質的に異なる認定をするには原則として訴因変更手続を要する。ただし防御の具体的状況等から不意打ちにならず、かつ不利益に変わらない場合は例外的に訴因変更なしでも許される(最決平成13年4月11日)。
結論
正解は選択肢2(①a ②b ③b ④a)である。最決平成13年4月11日は、実行行為者の明示は審判対象の画定という観点からは不可欠ではないが、被告人の防御という観点からは重要な事項であるとし、争点明確化のために明示が望ましく、訴因と実質的に異なる認定をする場合は被告人に不意打ちを与えないことなどが要求されるとした。
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出典:法務省「平成28年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
