平成28年 予備試験 短答式 刑法 第1問 解説
問題
正当防衛及び緊急避難に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
- ①国家的法益を防衛するための正当防衛が成立する余地はない。
- ②相手方から急迫不正の侵害を受け,第三者の所有物を用いて相手方に反撃し,同所有物を損壊した場合において,その行為が器物損壊罪の構成要件に該当するとき,その行為につき緊急避難が成立する余地はない。
- ③相手方から急迫不正の侵害を受け,これに逆上して相手方に反撃を加えた場合,正当防衛が成立する余地はない。
- ④相手方から急迫不正の侵害を受け,相手方に反撃を加えた場合,その侵害が相手方の過失に基づくものであれば,正当防衛が成立する余地はない。
- ⑤正当防衛が成立する行為に対しては,正当防衛が成立する余地はない。正解
解説
要点
正当防衛は「急迫不正の侵害」に対するものであることが要件であり、正当防衛行為自体は適法行為(正)であるから、それに対する反撃は不正の侵害に対するものとはいえず、正当防衛は成立しない(正対正の関係には正当防衛は及ばない)。
結論
選択肢5が正しい。正当防衛(刑法36条1項)は「急迫不正の侵害」に対する防衛行為であることを要するところ、正当防衛が成立する行為はそれ自体適法な行為であり「不正の侵害」に当たらないから、これに対して更に正当防衛を観念する余地はない。他の選択肢はいずれも判例上、正当防衛・緊急避難の成立を一律に否定する根拠にはならない誤った一般化である。
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出典:法務省「平成28年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
