平成26年 予備試験 短答式 民法 第12問 解説
問題
不法行為に関する次の1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれか。
- ①Aの前方不注意による自動車の運転によってBが重傷を負い,Bを治療したCの過失によってBが死亡した場合において,ACの各行為が共同不法行為となるときであっても,Bの死亡という結果の発生に対するA及びCの寄与の割合をそれぞれ確定することができるときは,Aは,Bの死亡による損害の全額を賠償する責任を負わない。正解
- ②土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによってAに損害が生じた場合において,その工作物の占有者であるBが損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは,その工作物の所有者であるCが,Aに対し,その損害を賠償する責任を負う。
- ③複数の加害者であるABの過失と被害者Cの過失が競合する1つの交通事故において,その交通事故の原因となった全ての過失の割合を認定することができ,A,B及びCの過失割合が順次5:3:2である場合には,ABは,Cに対し,連帯して,その損害の8割に相当する額を賠償する責任を負う。
- ④Aの不法行為により未成年者Bが重傷を負った場合において,Bが事理弁識能力を有していなかったときであっても,その損害の発生についてBの親に監督上の過失が認められるときには,Aは,過失相殺による損害額の減額を主張することができる。
解説
要点
共同不法行為(719条)が成立する場合、各行為者の被害結果への寄与度が個別に算定できても、被害者保護の観点から各行為者は損害の全額について連帯責任を負い、寄与度による減責は認められない。これに対し、被害者にも過失がある場合の過失相殺では、一つの交通事故で加害者複数・被害者の過失割合が全て認定できるときは、被害者の過失分のみを控除する『絶対的過失相殺』が採られる。
結論
誤っているのは選択肢1である。判例は、複数の行為が共同不法行為(民法719条)となる場合、各行為者の結果への寄与度を個別に確定できたとしても、被害者保護の趣旨から各行為者は損害の全額について連帯して賠償責任を負うとしており、寄与度に応じた減責を認めていない。
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出典:法務省「平成26年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
