令和8年 司法試験 短答式 憲法 第14問 解説
問題
憲法第9条に関する次のアからウまでの各記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。
ア.憲法第9条第2項が保持を禁止した戦力とは、我が国がその主体となってこれに指揮権、管理権を行使し得る戦力、すなわち、我が国自体の戦力を指しているため、外国の軍隊は、たとえそれが我が国に駐留していたとしても、同条項にいう戦力には該当しない。
イ.長沼事件判決(最高裁判所昭和57年9月9日第一小法廷判決、民集36巻9号1679頁)は、憲法の基本原理に対する重大な違反が生じ、国民の権利が侵害される危険があると考えられ、当該事件の紛争を根本的に解決する必要がある場合、裁判所には国家行為の憲法適合性を審理判断する義務があるとした。
ウ.憲法第9条は、その憲法規範として有する性格上、私法上の行為の効力を直接規律することを目的とした規定ではないため、国が行政の主体としてではなく、私人と対等な立場に立って、私人との間で個々的に締結する私法上の契約については、特段の事情がない限り、憲法第9条の直接適用を受けない。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○正解
- ④ア○ イ× ウ×
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
砂川事件は9条2項の「戦力」概念(我が国自体の戦力)に関する判断、長沼事件最高裁判決は訴えの利益なしとして実体判断を回避した点、百里基地訴訟は私法上の契約への9条の直接適用否定という三判例の射程を正確に区別することが決め手になる。
結論
正解は選択肢3(ア○イ×ウ○)である。アは砂川事件判決が示した9条2項の「戦力」概念の説明として正しく、ウは百里基地訴訟判決が示した私法上の契約への9条不適用の判断として正しい。これに対しイは、長沼事件最高裁判決の内容を誤って記述したものであり、実際には最高裁は訴えの利益なしとして自衛隊の合憲性について実体判断をしなかった。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
