令和8年 司法試験 短答式 憲法 第12問 解説
問題
選挙に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。
ア.最高裁判所の判決(最高裁判所平成24年10月17日大法廷判決、民集66巻10号3357頁)は、参議院議員選挙における投票価値の不均衡の問題について、都道府県は、地方における一つのまとまりを有する行政等の単位ではあるが、これを選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はなく、都道府県を選挙区の単位として固定する結果、投票価値の大きな不平等状態が長期にわたって継続していると認められる状況の下では、この仕組み自体を見直すことが必要になるとしている。
イ.最高裁判所の判決(最高裁判所昭和30年3月30日大法廷判決、刑集9巻3号635頁)は、公職選挙法第146条により制限されている選挙運動期間中の文書図画の頒布、掲示を認めると、選挙運動に不当の競争を招き、選挙の公正が害される具体的な危険が明らかに生じることから、同条による規制は、公共の福祉のため、憲法上許された必要かつ合理的な制限であるとしている。
ウ.最高裁判所の判決(最高裁判所昭和23年6月1日第三小法廷判決、民集2巻7号125頁)は、憲法は自由な投票を確保するために、秘密選挙の原則を保障しており、選挙権のない者が投票行為をしたのかどうか及び何人に対して投票したかを証拠調べによって明らかにすることは、当選の効力を定める手続においても許されないとしている。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○
- ④ア○ イ× ウ×正解
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
選挙関連判例は、規範の内容だけでなく「抽象的危険で足りるか具体的危険を要するか」「投票の秘密はどの事項に及ぶか(投票先か、投票行為の有無か)」という判旨のニュアンスまで正確に押さえる必要がある。
結論
選択肢4(ア○イ×ウ×)が正しい。平成24年大法廷判決の要旨(ア)は判旨に沿った正確な記述だが、昭和30年判決(イ)は「具体的な危険が明らかに生じる」ことまでは要求しておらず弊害発生の「おそれ」で足りるとした点で誤り、昭和23年判決(ウ)は「何人に投票したか」の調査を禁じた一方、選挙権のない者が投票したか否かの調査まで一律に禁じたわけではない点で誤りである。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
