令和8年 司法試験 短答式 刑法 第12問 解説
問題
名誉に対する罪に関する1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、誤っているものを2個選びなさい。
1.名誉毀損罪は、人の社会的評価を害するに足るべき具体的事実の摘示がなければ成立しないが、侮辱罪は、人の社会的評価を害するに足るべき具体的事実の摘示がなくても成立する。
2.弁護人が被告人のためにした弁護活動であれば、それが名誉毀損罪の構成要件に該当する行為であっても、常に刑法第35条が適用され、違法性が阻却される。
3.甲が、「人のうわさであるから真偽は別として」という表現を用いて、そのうわさの内容として「X市長は、建設業者から多額の賄賂をもらっているとのことである。」と記載したパンフレットを多数人に頒布して、Xの名誉を毀損する事実を摘示した場合、刑法第230条の2にいう「真実であることの証明」の対象となるのは、うわさそのものが存在することではなく、うわさの内容たる事実の真否である。
4.名誉毀損罪の被害者は、特定の人又は団体である必要はないので、誰のことであるかは特定せずに「X市の住民は、不倫ばかりしている。」といった漠然とした表示でも同罪が成立し得る。
5.私人の私生活上の行状であっても、その携わる社会的活動の性質及びこれを通じて社会に及ぼす影響力の程度等によっては、その社会的活動に対する批判ないし評価の一資料として刑法第230条の2第1項の「公共の利害に関する事実」に当たる場合がある。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4正解
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5
- ⑩4と5
解説
要点
名誉毀損罪の成立には被害者の特定性が必要であり、弁護活動は正当業務行為として違法性阻却の余地があるにすぎず「常に」阻却されるわけではない。この2点は頻出の誤り選択肢のパターンである。
結論
誤っているのは記述2と記述4であり、選択肢6が正解である。記述2は弁護活動が「常に」違法性阻却されるとする点で誤り、記述4は名誉毀損罪の被害者特定性を不要とする点で誤りである。
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出典:法務省「令和8年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
