令和7年 司法試験 短答式 刑法 第12問 解説
問題
学生A、B及びCは、【事例】について、【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑩までの( )内に【語句群】から適切なものを入れた場合、正しいものの組合せは1から5までのうちどれか。なお、①から⑩までの( )内には、それぞれ異なるものが入る。【事 例】居酒屋の店長甲は、客Xを殺害しようと考え、同店従業員Yに対し、ウイスキーを入れたグラスに致死量の毒薬を混入したことを秘して、同グラスをXの席に運ぶよう指示し、その指示に従ってYが同グラスを手に取ろうとしたが、誤って同グラスを床に落としたため、Xを殺害するに至らなかった。【会 話】学生A.間接正犯の実行の着手時期について、私は、(①)と考えるので、(②)で実行の着手が認められることになります。したがって、甲に(③)罪が成立します。学生B.Aさんの見解に対しては、(④)という批判が可能ですね。私は、(⑤)と考えるので、(⑥)で実行の着手が認められることになります。したがって、甲に(③)罪は成立せず、(⑦)罪が成立するにとどまります。私の考えは、離隔犯において、(⑧)時に実行の着手を認める考え方と親和的です。学生A.Bさんの見解に対しては、(⑨)という批判が可能ですね。学生C.私は、(⑩)で実行の着手が認められると考えます。したがって、甲に(③)罪が成立するか否かは、結果発生の現実的危険性が発生したといえるかどうかの判断によることになります。【語句群】a.被利用者の行為時に結果発生の切迫した危険が認められるb.実行行為者は利用者であり、被利用者の行為は因果経過にすぎないc.YがXの法益を侵害する行為を開始した時点d.甲がYに働き掛けた時点e.実質的見地から個別的にみて結果発生の現実的危険性が発生した時点f.殺人予備 g.殺人未遂 h.発送 i.到達j.利用者にとって偶然の事情で実行の着手時期を決することになるk.結果発生の危険性が切迫していない時点で実行の着手を認めることになる
- ①①a ③f ⑥d ⑧h
- ②①b ④k ⑥c ⑨j正解
- ③②c ④j ⑦g ⑨k
- ④②d ⑤b ⑦f ⑩e
- ⑤③g ⑤a ⑧i ⑩c
解説
要点
間接正犯の実行の着手時期には、利用者標準説(利用行為時説)・被利用者標準説(道具の行為時説)・個別的危険説の三説があり、それぞれの規範・帰結・弱点をセットで暗記すること。被利用者標準説は離隔犯の到達時説と発想が共通する点も押さえる。
結論
選択肢2が正しい。①はb(利用者標準説=実行行為者は利用者であり被利用者の行為は因果経過にすぎない)、④はk(利用者標準説への批判=危険が切迫していない時点で着手を認めてしまう)、⑥はc(被利用者標準説=Yが法益侵害行為を開始した時点)、⑨はj(被利用者標準説への批判=利用者にとって偶然の事情で着手時期が決まってしまう)であり、いずれも組み合わせが整合する。
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出典:法務省「令和7年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
