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令和6年 司法試験 短答式 刑法 第9問 解説

令6司法 第9問刑法共同正犯の過去問

問題

学生A、B及びCは、承継的共同正犯に関する次の【事例】について、後記【会話】のとおり議論している。【会話】中の①から⑧までの( )内に後記【語句群】から適切なものを入れた場合、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。なお、①から⑧までの( )内にはそれぞれ異なるものが入る。【事 例】先行者が被害者に暴行を加えて傷害を負わせた後、後行者が、共謀加担した上、被害者が負傷して抵抗が困難になった状態を自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用する意思で、更に暴行を加えて被害者の同傷害を相当程度重篤化させた。【会 話】学生A.私は、承継的共同正犯については(①)と考え、その成立を(②)します。学生B.Aさんの見解では、詐欺罪で金銭受領のみに関与した後行者が不可罰となってしまいませんか。私は、承継的共同正犯については(③)と考え、その成立を(④)すべきだと考えます。学生C.私も、承継的共同正犯の成立を(④)すべきだと思います。私は、(⑤)と考え、この【事例】については、後行者に(⑥)の共同正犯の成立を認めます。学生B.Cさんの見解では、共謀加担前の結果に対する因果性の欠如を埋め合わせることができないのではないでしょうか。私は、Cさんが承継的共同正犯の成立根拠とする事情は、判例が言うように(⑦)と評価すべきであって、(⑥)の責任を問う理由とはいえないと考えます。私は、Cさんと異なり、この【事例】の後行者に(⑧)の共同正犯の成立が認められると考えます。【語句群】a.後行者が関与する時点において、なお先行者が実現しようとしている結果については因果性を有することが可能であるb.後行者が因果的影響を与えた行為・結果のみを独立に評価し、それが一定の構成要件に該当する限度で共同正犯が成立するc.先行事実を積極的に利用する場合に限って承継的共同正犯を認めるべきd.後行者が暴行を行った動機ないし契機にすぎないe.自己の犯罪遂行の手段であるf.全面的に肯定 g.限定的に肯定 h.全面的に否定i.共謀加担前に生じた傷害結果を含む、生じた結果全てについての傷害罪j.共謀加担後の傷害結果の発生に寄与した部分についての傷害罪
  1. ①①a ④f ⑦d
  2. ②①b ③a ⑦e
  3. ③②h ⑤a ⑥i
  4. ④③c ④g ⑧i
  5. ⑤⑤c ⑥i ⑧j正解

解説

要点
最決平成24年11月6日は、先行者の暴行後に共謀加担した後行者につき、負傷して抵抗困難な状態を積極的に利用する意思があっても、加担前に生じた傷害結果とは因果関係がないとして、加担後の暴行が傷害の発生に寄与した限度でのみ傷害罪の共同正犯の責任を負うとした。積極的利用の事情は暴行の動機ないし契機にすぎないと評価される。

結論

選択肢5が正しい。承継的共同正犯を巡るA・B・Cの見解の対立を、判例(最決平成24年11月6日)の立場に照らして整理すると、⑤には「先行事実を積極的に利用する場合に限って承継的共同正犯を認めるべき」(c)、⑥には「共謀加担前に生じた傷害結果を含む、生じた結果全てについての傷害罪」(i)、⑧には「共謀加担後の傷害結果の発生に寄与した部分についての傷害罪」(j)が入り、これらすべてを含む選択肢5のみが整合する。

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出典:法務省「令和6年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。