SaySayLaw無料で演習する

令和5年 司法試験 短答式 民法 第29問 解説

問題

不当利得に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。 ア.甲土地につき抵当権の設定を受け、その旨の登記をしたAは、甲土地についての不動産競売事件の配当期日において配当異議の申出をしなかった場合には、Aに対する優先権を有しないにもかかわらず配当を受けた一般債権者Bに対し、不当利得に基づく返還請求をすることができない。 イ.善意の受益者がその利得に法律上の原因がないことを認識した後にその利益が消滅したときは、その受益者は、現に利益が存しないことを理由として不当利得に基づく返還請求を拒むことができない。 ウ.未登記の建物が不倫関係の維持を目的として贈与され、その建物の引渡しがされたときは、贈与者は、受贈者に対し、不当利得に基づいてその建物の返還を請求することができない。 エ.不法な原因のために給付をした者は、不法な原因が受益者についてのみ存した場合であっても、給付したものの返還を請求することができない。 オ.Aがその所有する動産をBに贈与し、その引渡しをしたことが不法原因給付に該当し、不当利得に基づく動産の返還請求をすることができないときは、Aは、Bに対し、所有権に基づく動産の返還請求をすることもできない。
  1. ①ア イ
  2. ②ア エ正解
  3. ③イ ウ
  4. ④ウ オ
  5. ⑤エ オ

解説

要点
実体法上の優先権を有する抵当権者は、配当異議の申出をしなくても優先権なく配当を受けた者に不当利得返還請求ができること(最判平3.3.22。優先権のない一般債権者の場合は否定〔最判平10.3.26〕)、708条ただし書により不法原因が受益者のみに存する場合は返還請求ができることを正確に押さえる。

結論

誤っているのはアとエであり、選択肢2が正解である。アは、抵当権者が配当異議の申出をしなかったことは不当利得返還請求の妨げにならないとする判例に反し、エは民法708条ただし書に反している。

この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
無料で始める

出典:法務省「令和5年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。