令和5年 司法試験 短答式 民法 第1問 解説
問題
胎児に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.AがBの母Cとの間で締結した、Aの所有する甲土地をBに無償で与える旨の第三者のためにする契約は、その成立の時にBが胎児であったとしても、そのためにその効力を妨げられない。
イ.胎児の父が胎児を認知するには、胎児の母の承諾を得なければならない。
ウ.胎児を受贈者として死因贈与をすることができる。
エ.胎児が不法行為により損害を受けたときは、胎児の両親は、出生前に胎児を代理して加害者に対し損害賠償請求をすることができる。
オ.胎児の母は、認知の訴えを提起することができない。
- ①ア エ
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤ウ エ正解
解説
要点
胎児の権利能力は原則否定(民法3条1項)で、721条・886条・965条の個別規定がある場合に限り例外的に「既に生まれたものとみなす」(判例は停止条件説)。他方、第三者のためにする契約は537条2項により受益者が契約成立時に現存しなくても契約自体の効力は妨げられない。「契約の効力」と「胎児自身が権利を取得・行使できるか」を切り分けて整理すること。
結論
誤っているのはウとエであり、選択肢5が正しい。胎児は原則として権利能力を有せず(民法3条1項)、721条・886条・965条など個別の規定がある場合に限り例外的に既に生まれたものとみなされるにすぎない。判例(停止条件説)を前提とすれば、契約である死因贈与の受贈者となることや、出生前に胎児を代理して損害賠償請求をすることは認められない。
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出典:法務省「令和5年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
