令和5年 司法試験 短答式 憲法 第9問ウ 解説
問題
人身の自由に関する次のアからウまでの各記述について、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。
ウ.交通事故を起こした運転者は、警察官に対し、交通事故発生の日時、場所、死傷者の数などを報告する義務を負うが、道路における危険とこれによる被害の増大を防止し、交通の安全を図るという目的のためには、刑事責任を負うことにつながるような自己に不利益な供述をさせることもやむを得ないから、この報告義務を定めた法律は、憲法第38条第1項に違反しない。
- ①正しい
- ②誤っている正解
解説
要点
交通事故の報告義務(最大判昭和37年5月2日。旧道路交通取締法施行令67条2項、現行道路交通法72条1項後段に相当)が憲法38条1項に反しないのは、報告事項が事故の日時・場所・死傷者数等の客観的事実に限られ、刑事責任を問われるおそれのある事項(事故の原因・過失の有無等)の供述までは要求されていないからであり、「不利益供述もやむを得ない」という比較衡量的な理由付けではない点に注意。
結論
選択肢2が正しい。判例は、交通事故の報告義務が憲法38条1項に違反しないとする結論自体は問題文と同じだが、その理由付けが異なる。判例は報告義務の対象を客観的な事故状況に限定し、自己に不利益な供述までは求めていないから自己負罪拒否特権を侵害しないとしたのであり、「不利益な供述をさせることもやむを得ない」という比較衡量的な理由付けはしていない。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「令和5年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
