令和4年 司法試験 短答式 刑法 第15問オ 解説
問題
放火罪に関する次の各【見解】についての後記アからオまでの各【記述】を検討し、正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。【見 解】A.放火罪にいう「焼損」とは、火が媒介物を離れて目的物に燃え移り、目的物が独立して燃焼を継続し得るに至った状態を意味する。B.放火罪にいう「焼損」とは、目的物の重要部分が燃焼し、本来の効用を喪失した状態を意味する。【記 述】
オ.A及びBのいずれの見解に対しても、不燃性の建造物に放火した場合、内装の融解により有毒ガスが発生し、人の生命・身体に危険を生じさせたとしても、建造物自体が燃焼しない限り放火罪の既遂犯が成立しないため、処罰範囲が狭すぎるとの批判が可能である。
- ①正しい正解
- ②誤っている
解説
要点
独立燃焼説・効用喪失説はいずれも『燃焼』を前提とするため、不燃性建造物での有毒ガス発生等の危険は両説とも既遂として捕捉できず、処罰範囲が狭すぎるとの批判が共通して妥当する。
結論
記述オは正しく、選択肢1が正解である。独立燃焼説(見解A)も効用喪失説(見解B)も、いずれも「燃焼」という物理現象の発生を焼損概念の中核に据えているため、不燃性建造物のように建造物自体が燃焼しない事案では、内装融解による有毒ガス発生という重大な危険が生じても既遂を認められない。この帰結はA・B双方に共通する弱点であり、処罰範囲が狭すぎるとの批判が両説に妥当する。
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出典:法務省「令和4年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
