令和3年 司法試験 短答式 民法 第6問 解説
問題
物権的請求権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.甲土地の所有者Aは,Bが所有する乙土地上に甲土地のための通行地役権の設定を受けた。その後,Bが乙土地上に大型トラック丙を駐車してAによる乙土地の通行を妨げた場合,Aは,Bに対して通行地役権に基づき丙の撤去を請求することができる。
イ.A,B及びCが甲土地を持分3分の1ずつで共有している場合,Cは単独で,甲土地を何の権原もなく占有するDに対して甲土地の明渡しを請求することができない。
ウ.Aは,Bが所有する甲土地上に何の権原もなく乙建物を建築し,その所有権保存登記がされた。その後,Aが乙建物をCに売却して所有権を移転した場合,Cヘの所有権移転登記がされていなくても,Bは,Cに対して所有権に基づき乙建物の収去を請求することができる。
エ.Aが所有する甲土地にBのために抵当権が設定され,その登記がされた後,Cは,甲土地上にAが所有する樹木を何の権原もなく伐採し始めた。この場合,Bは,被担保債権の弁済期前であっても,Cに対して伐採の禁止を請求することができる。
オ.甲土地に設定された第一順位の抵当権の被担保債務が消滅したにもかかわらずその登記が抹消されていない場合,甲土地の第二順位の抵当権者は,第一順位の抵当権者に対してその登記の抹消を請求することができない。
- ①ア ウ
- ②ア オ
- ③イ エ
- ④イ オ正解
- ⑤ウ エ
解説
要点
物権的請求権は所有権に限らず地役権・抵当権にも認められうるが、誰が誰に対して何を請求できるかは判例ごとに要件(保存行為・登記名義保有者の責任・交換価値侵害・抹消請求の利益)が異なるので、条文と判例規範を場面ごとに区別して覚える。
結論
誤っているのは選択肢4(イとオ)である。イは共有者の一人が保存行為として単独で不法占拠者に明渡しを請求できるとする判例に反し、オは後順位抵当権者も自己の抵当権に基づく妨害排除請求として無効登記の抹消を求めうるとされる点で、いずれも判例の趣旨と逆の結論になっている。
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出典:法務省「令和3年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
