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令和3年 司法試験 短答式 憲法 第9問 解説

問題

生存権に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。 ア.憲法第25条にいう「健康で文化的な最低限度の生活」は,抽象的・相対的な概念であって,その具体的な内容は,その時々における文化の発達の程度,経済的・社会的条件,一般的な国民生活の状況等との相関関係において判断決定されるべきものであるとともに,同規定を現実の立法として具体化するに当たっては,国の財政事情を無視することができず,高度の専門技術的な考察とそれに基づいた政策的判断を必要とする。 イ.憲法第25条の生存権を具体化する趣旨の法律として,生活保護法等の法律が制定された場合,その法律は憲法第25条と一体をなし,かかる法律の定める給付水準を正当な理由なくして引き下げることは憲法上許されない。 ウ.憲法第25条第2項で定める防貧施策については広い立法裁量が認められる一方,同条第1項で定める救貧施策については,国は国民の最低限度の生活を保障する責務を負い,前者よりも厳格な違憲審査基準が用いられる。
  1. ①ア○ イ○ ウ○
  2. ②ア○ イ○ ウ×
  3. ③ア○ イ× ウ○
  4. ④ア○ イ× ウ×正解
  5. ⑤ア× イ○ ウ○
  6. ⑥ア× イ○ ウ×
  7. ⑦ア× イ× ウ○
  8. ⑧ア× イ× ウ×

解説

要点
堀木訴訟判決の「健康で文化的な最低限度の生活」は抽象的・相対的概念であり立法裁量が広いという枠組みを正確に覚え、生活保護基準の引下げ(制度後退禁止原則)は判例上絶対的に禁止されるのではなく厚生労働大臣の裁量権の逸脱・濫用の有無で審査されること、また25条1項・2項を救貧・防貧で区別して審査基準を分ける立場を最高裁は採っていないことを押さえる。

結論

正解は選択肢4(ア○イ×ウ×)である。アは堀木訴訟大法廷判決の判示内容そのままで正しいが、イは生活保護基準の引下げが常に違憲となるわけではなく厚生労働大臣の裁量統制の枠組みで審査される点で誤り、ウは25条1項・2項を救貧・防貧で区別し異なる審査基準を用いるという判例法理は存在しない点で誤りである。

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出典:法務省「令和3年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。