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令和3年 司法試験 短答式 刑法 第16問 解説

令3司法 第16問刑法放火罪の過去問

問題

放火の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものを2個選びなさい。 1.甲は,Aが所有する自動二輪車に放火するため,これに使用するガソリンとライターを所持して同自動二輪車に近づいたが,甲に不審を抱いた警察官から職務質問を受け,放火するに至らなかった。この場合,甲には,放火予備罪は成立しない。 2.甲は,自己が所有する無人の木造倉庫に放火してこれを焼損し,よって公共の危険を生じさせ,その結果,Aが居住する木造家屋に延焼させたが,その延焼についての認識はなかった。この場合,甲には,延焼罪は成立しない。 3.甲は,自己が所有する自動二輪車に放火してこれを焼損し,よって公共の危険を生じさせたが,その公共の危険が生じることについての認識はなかった。この場合,甲には,建造物等以外放火罪は成立しない。 4.甲は,隣人Aが居住する木造家屋を焼損しようと考え,同家屋から1メートル離れた位置にある自己が所有する無人の木造倉庫に放火してこれを焼損したが,同家屋に延焼する危険を生じさせるにとどまった。この場合,甲には,現住建造物等放火未遂罪は成立しない。 5.甲は,Aが1人で居住しており,他に誰もいなかった木造家屋内でAを殺害し,その直後,同家屋に放火してこれを焼損した。この場合,甲には,現住建造物等放火罪は成立しない。 ※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
  1. ①1と2
  2. ②1と3
  3. ③1と4
  4. ④1と5正解
  5. ⑤2と3
  6. ⑥2と4
  7. ⑦2と5
  8. ⑧3と4
  9. ⑨3と5
  10. ⑩4と5

解説

要点
放火罪では、①予備罪(113条)は108条・109条1項のみを対象とし110条には及ばない、②延焼罪(111条)は結果的加重犯で延焼の認識は不要、③110条の公共の危険は判例上その認識を要しない、④隣接物・媒介物への放火でも目的物への延焼の現実的危険が生じれば実行の着手が認められる、⑤現住性は放火時点で判断され、唯一の居住者を殺害した後は非現住建造物となる(大判大正6年4月13日)、という5つの論点を押さえること。

結論

正しいのは記述1と記述5であり、選択肢4が正解である。記述1は建造物等以外放火罪(110条)に予備罪の規定がないことから、記述5は唯一の居住者を殺害した後は家屋の現住性が失われることから、それぞれ正しいと判断できる。

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出典:法務省「令和3年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。