SaySayLaw無料で演習する

令和3年 司法試験 短答式 刑法 第6問 解説

令3司法 第6問刑法文書偽造罪の過去問

問題

文書偽造の罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものを2個選びなさい。 1.偽造公文書行使罪の客体は,行使の目的で作成されたものでなければならない。 2.公務員である医師が,自己の勤務する市立病院の患者が裁判所に提出するための診断書に虚偽の病名を記載した場合,虚偽公文書作成罪が成立する。 3.行使の目的で,公務員の名義を冒用して公文書を作成したが,実際には当該公務員に当該文書の作成権限がなかった場合,当該文書が当該公務員の職務権限内で作成されたものと一般人が信じるに足る形式・外観を備えていれば,公文書偽造罪が成立する。 4.警察官から提示を求められたときに備え,偽造された自動車運転免許証を携帯して自動車を運転した場合,偽造公文書行使罪が成立する。 5.上司である公文書の作成権限のある公務員を補佐して公文書の起案を担当する公務員が,その地位を利用し,行使の目的で,その職務上起案を担当する公文書に内容虚偽の記載をした上,情を知らない上司に,当該文書の内容が真実であると誤信させ,これに署名押印させた場合,虚偽公文書作成罪は成立しない。 ※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
  1. ①1と2
  2. ②1と3
  3. ③1と4
  4. ④1と5
  5. ⑤2と3正解
  6. ⑥2と4
  7. ⑦2と5
  8. ⑧3と4
  9. ⑨3と5
  10. ⑩4と5

解説

要点
行使罪の客体は行使目的で作成された文書に限られない。偽造免許証を携帯して運転するだけでは「行使」に当たらない(最大判昭44・6・18)。公務員たる医師が職務上作成する診断書は公文書であり虚偽記載は156条。名義人に現実の作成権限がなくても、一般人が職務権限内の文書と信じるに足る形式・外観があれば公文書偽造罪が成立する(最判昭51・5・6)。作成権限者を補佐する起案担当公務員には虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立する(最判昭32・10・4)。

結論

正しいのは記述2と記述3であり、選択肢5(2と3)が正解である。記述2は公務員である医師が職務上作成する診断書に虚偽記載をした場合に虚偽公文書作成罪が成立するとする判例の立場に合致し、記述3は名義人とされた公務員に現実の作成権限がなくても、一般人がその職務権限内で作成されたと信じるに足る形式・外観を備えていれば公文書偽造罪が成立するとする判例(最判昭51・5・6)に合致する。

この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
無料で始める

出典:法務省「令和3年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。