令和2年 司法試験 短答式 民法 第2問 解説
問題
法人に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.法人は,その定款に記載された目的に含まれない行為であっても,その目的遂行に必要な行為については,権利能力を有する。
イ.理事が法人の機関として不法行為を行い,法人が不法行為責任を負う場合には,その理事は,個人として不法行為責任を負うことはない。
ウ.法人の代表者が職務権限外の取引行為をし,当該行為が外形的に当該法人の職務行為に属すると認められる場合であっても,相手方がその職務行為に属さないことを知っていたときは,法人は,代表者の当該行為に基づいて相手方に生じた損害の賠償責任を負わない。
エ.外国人が享有することのできない権利であっても,認許された外国法人は,日本において成立する同種の法人と同様に,その権利を取得することができる。
オ.設立登記が成立要件となっている法人について,設立登記がされていなくても,法人としての活動の実態がある場合には,予定されている定款の目的の範囲内での権利能力が認められる。
- ①ア ウ正解
- ②ア オ
- ③イ ウ
- ④イ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
法人の権利能力は定款目的の範囲内だが判例は目的遂行に必要な行為まで広く認める。代表者の職務権限外の行為も外形上職務行為に属すれば法人が責任を負うが、相手方が悪意又は重過失のときは保護されない。外国法人は日本の同種法人と同一の私権を有するにとどまり外国人が享有できない権利は取得できず、設立登記は法人格取得の効力要件である。
結論
正しいのはアとウであり、選択肢1が正解である。アは法人の目的の範囲に関する判例法理、ウは法人の不法行為責任における外形理論(外形標準説)とその限界(相手方の悪意・重過失)に関する判例法理として、いずれも正しい内容である。
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出典:法務省「令和2年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
